3 居住の実感
バンクーバでの一週間、求人広告に居住の実感!?5月21日に日本を出発し、同じ日にバンクーバ(ブリティッシュ・コロンビア州)に到着しました。ぎりぎりまで働いていたので、バンクーバで一週間の休暇を取ることにしたのと、PEIファームに労働スティ(※)で入るための面接があったからでした。
現在(2004年)では紹介・斡旋業者も増え、また、私の様な経験者が自分のファームを紹介したりするケースもかなりあるようですが、当時はまだ労働ファームスティは実例も少なく、又大半のファームは郊外の、日本人通訳のいない地域にあり、そこでファームの家族と暮らしながら仕事の指示も仰ぐ生活・・・という事で、滞在希望者の英語力について厳しい見方もありました。
それ故、PEIの農場に入るにも係わらず、斡旋業者のバンクーバ本社で英語力を含めた面接があったのでした。面接では、たまたま担当者に急ぎの仕事が入ってかなりの時間待たされ、その間忙しく動き回る社員の皆さんを見ていたせいで、かなりリラックス出来ました。目の前にいたのはついこの間までの私と同じように、山の書類を片づける人達・・・なので、その後の質問にもあまり緊張せずに答えられました。
この席でとてもびっくりしたのが、サインした誓約書の内容でした。「ファーム滞在中にあらゆる不幸があっても(不慮の事故死など)私の家族が裁判を起こさないことを誓約する」といった内容でしたが、かなり細かく書かれていました。細かい内容は省きますが、こんな所にも、労働スティの厳しさを感じました。おかげさまで、無事にファーム滞在が正式に決まり、残りの日々は休暇を楽しみました。YWCAに泊まって、スーパーで購入した安い食材で節約料理を作ったり、日本で登録手続きをした者が利用できるワーホリメーカーサポートデスクで出会った日本人の人達と情報交換したり、散歩したり・・・
そんなある日、自分がカナダで暮らすんだということをど〜んと実感した出来事がありました。それは、日本人オーナーの経営する日本食レストランや、おみやげ屋さんに貼られていた「求人広告・ワーキングホリデー可」という、求人の広告を目にした時でした。何となく目に入り「ああ、ワーホリO.K.か・・・私にも権利があるって事だよね」と思ったその瞬間でした。もしも私がこの時ツーリストだったら、勿論権利はありません。「ああ、働けるんだよね、私。生活する為にね・・・」と、これがこれからカナダで暮らして行くんだという実感を初めて感じた瞬間でした。大きなおみやげ袋を持ってホテルへ入っていくおしゃれした日本人観光客を見ても、ちっとも羨ましく思わず、むしろ「今回は生活!」と興奮していた自分がいたのでした。
バンクーバでエナジーを補給し、1週間後の5月27日、次の目的地トロント(オンタ リオ州)へと旅立ちました。※ 労働ファームスティとは、ワーキングホリデービザ等の労働許可のある人に限って認められ、農場で働く代わりに部屋と3食の食事を提供して貰う、住み込み労働の事です。早い話が賃金と滞在費を相殺して貰うのです。表向き賃金が発生しないため、ビザ(許可)無しでも受け容れてもらおうと考える人達も見られますが、外国人である私達が働くという事はビザがいる事と、労働者を雇うということは、相手の農場にしてみれば確定申告に係わる事もなきにしもあらず・・・(さあ、この場合、不法労働者を雇っていたと分かったらどうなるでしょうか?)なので、海外長期滞在者は目的にあったビザを必ず取得することが大事です。(2004.6.28)